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June 25, 2006

World is a Playground

近年

「ユー・アール・ストレインジ…」と、定期診断にあたり東大保健センターのあの相談役心理士が頑張って英語を使って言ってくれた。生まれ育ち環境や辿ってきた人生の道についての僕の話を聞いてくれる後だった。なるほど。

今回、World is a Playground展示プロジェクトのため準備や物作りにかかっている間、確かに、自分が日々なんとなく取り組んでいて処理しようとしているあの「不思議」なほど複雑に絡み合った経歴、その複数の国籍や文化の背景などは、僕の作品に反映されないことはあり得ない、と切実に気づいていた。というのも、よきもあしきも、自分はとにかく複数の世界、文化、言語を平行に並べて生きてきたものだ。

そこから必然的に生まれる考え:無限の宇宙の普遍的な価値や考えと、ある特定の場所や時間がもたらした文化のあたかも四方に壁に囲まれた価値や考えとの間には、対立というよりも、非常に微妙な共存と均衡の関係があるように思う。特定個人のそれと同様に、特定文化の個性を大事にしながらも、その壁の内側に完全に閉じ込められて窓からでも見れなくなる状況を常に警戒しなければならない。

自分の作品にほんの少しでも音楽の響きをもたせたい。それは、音楽というものは、無限に多様な豊かさが、ある形式に従って単純な特定音の組み合わせから生まれてくるものだ、といった意識からくる希望。無限で多様な要素と、特定で有限な要素が、完璧な調和で共存するものだ。音楽の奥行きと時間性でもって創造作業の過程こそ表現したい。

あの時、定期診断の心理士は最後に挨拶代わりに言ってくれた通り:「ヘヴ・ア・ナイス・ライフ…」。
おいでになって付き合って下さる皆さんにこそ、「良き人生を…」

Posted by hans at June 25, 2006 04:20 PM